maison de fanfare


写真家の姉と服飾雑貨制作の妹によるユニット         kayokonakamura.com    maisondefanfare@gmail.com
by maisondefanfare
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あさがおの水色 夏の日々

青い空がどこまでも広がっていて
地面は暑く
昼間は しんと静かで
その散歩は、まるで2人きりなんじゃないかと思うほどに透き通っていた

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暑い中、とくにやることもなかったので祖母を誘って散歩に出かけた

なんで暑い中に散歩したかというと、この時の暑さはさほど厳しいものではなく
気分転換には、うってつけのように感じたし
家にいることにも あきていた

あと写真が撮りたかった

渋々、祖母は出かける準備をして家を出た


近所を一周して  公園に行ったり  橋を渡ったり  犬をみたり  ベンチに座ったりした

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この頃、写真学生だった私は  祖母は元気だけれども80歳を越えているから
いつ死んでもおかしくないし、たくさん祖母の写真を撮っておこうと密かに考えていた。


しかし、それとは相反して祖母はパワフルに生活を続けて、目も私よりもよく見えるし
肩も父よりも  すんなりと手を天高く挙げることが出来た
ごはんも、肉も魚もなんでもよく食べて、年配者が好む様な薄い味付けではなく
濃い味つけのものを好んで食べていた

我が家では女王的存在で、悠々自適に過ごしていたから特に大きな病気はなく、
祖父が他界してからは、自由に生きていた

祖母をみていると、ご飯は母が作ってくれるし、孫はいるし、犬はいるし、
デイサービスには楽しそうに行くし、比較的理想の老後生活のように思えていた。



フイルムで写真を撮っていた頃から、10年以上経ち元気に過ごしていたのだが
市から来た、健康診断の無料案内が来たので行ってみると病気がみつかった。

これが今年の3月だ。

あまり長くないと医師には言われていた

もう94歳なので、薄々は気持ちの準備はあったかもしれないが正直、ショックで辛かった。
遠くに住んでいる分、何もできず辛かった。

気持ちをごまかすように生活していたが
7月の中頃父から電話があり、危ないということだった

スマートフォンをスピーカーモードにするから、話しかけてみろ  と父に言われ
おばあさん、かよこだよ、聞こえる?
と大きな声で何度も呼びかけてみた

すると危篤状態ではありながらも、少し口がもごもごと動いたらしい

電話を切って、父は妹に電話をかけて、よびかけてみろと言って

その時も、口が動いたらしい

そのあと、静かに息を引き取ったそうだ。

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その夜八戸に持ち帰るために、私は今まで撮ったフイルムの写真を、押し入れからひっぱりだし
ネガを見つけてセレクトした。

わからないが、ずっと涙が流れて辛かった
写真は、今撮っている自分の写真よりも妙に出来が良く感じた

純粋さが残っていた



祖母には見せる事がなかった、祖母の写真


祖母はこの写真をみて、なんというだろう。

たぶん、いやだ この写真        というだろうな




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kayoko nakamura


気持ちが片付いてきたので、やっとで文章を残しておこうと思いました。
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by maisondefanfare | 2015-08-08 18:13 | Comments(0)
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